需要計画の作り方(3)ー販売計画の集計と配分

2020.8.21 / SCM

前回、製品の特性によっては、需要予測がそのまま将来の需要計画になり得ることがある また需要予測を基準として意思入れをするケースもあることを述べました。

今回は、その意思入れする需要計画の、一般的かつ規範となる策定手順について解説してみたいと思います。

企業では一般的に、事業部、製品群、地域、販売拠点別に売上目標を持ちこれに対する実績を管理しています。需要計画は、小さい管理単位の計画を積み上げて集計する(Aggregation)ボトムアップ計画と、会社全体や事業部単位の売上目標を、小さい管理単位に配分する(Disaggregation)トップダウン計画の方法で行われます。

トップダウンの場合は全体の予算から配分するのですが、一般的には過去の実績や売り上げ予算の比率で配分されます。

 

 

そしてボトムアップの場合、全体の売上は、小さい管理単位の計画を順番に集計したものになります。多くの企業では、月1回程度のペースで販売実績を見て、将来の計画を見直しを行います。海外に多くの販売拠点を持つグローバル企業などでは、各国の営業担当の計画とこれらを集計した拠点の計画があり、さらに地域統括販社が複数拠点の集計をして、全拠点分を本社で集計してようやく全社目標との比較、前年度対比などができるようになります。

 

 

これをExcelで行っている企業では、ファイルをかき集めて集計する、そして分析を行うことが手作業となり、時間も人手もかかります。月次の計画のためにグローバルの集計だけで2週間を要して、さらにそこから基準生産計画を作るのですから翌月以降の計画に丸々1か月かかってしまうことになります。しっかり評価したり検討する時間がほとんど取れません。需要計画システムでは、こうした、個別営業社員や販売拠点の需要を組織階層ごとに即座に集計(Aggregation)するプロセスを支援できることが要(かなめ)となります。

ただ、集計といっても、単純に全員が同じデータベースに書き込めばよいかというとそういう訳ではありません。各々の計画には精度が要求されます。つまり、それぞれのレベルの計画精度がいい加減 -例えば営業担当が全員強気の計画数を入力した場合ーだと、それを積み上げたとき、実現性のない大きい数字が作られます。それをそのまま需要と捉えて供給必要数としてしまうと、必要以上の調達や生産が行われ、売れない在庫の山を抱えてしまうことになります。(こうした川上での変動が川下への影響を大きくしてしまうことを、Bullwhip Effect と呼んでいます)そこで、「精度の高い需要」を作る必要があるのです。

「精度の高い需要」の作り方については次回解説します。

 

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需要計画の作り方(4) -精度の高い計画とは