需要計画の作り方(4) -精度の高い計画とは

2020.9.9 / SCM

調達にせよ生産にせよ、企業の活動は需要(=売上予算・売上数)を起点として行われます。前年度より大きい売上を狙うのであれば、広告・宣伝活動もより活発にするでしょうし、工場のラインを増やす、稼働率をより高く保つなどの施策がとられるでしょう。実現不可能な大きい売上予算を作ってしまうと、社内リソースやお金をムダに使った挙句、売れない在庫を増やす結果となり会社の経営を危うくすることもあるわけです。反対に、達成できないことを恐れて小さすぎる計画にした場合、機会損失を招きせっかくの成長の機会を失ってしまうこともあります。需要計画に精度が求められるのはこのような理由からですが、実際「精度の高い」需要計画はどうやったら作ることができるのでしょうか?

 

 

過去実績や影響因子を勘案してコンピュータがはじき出した需要予測ですが、そのまま予測を使える製品とそうでない製品があります。季節や天候など需要の影響因子がはっきりしているものや、将来の販促計画やイベントによる需要増が見込めるものであれば、ある程度予測を販売計画として利用可能でしょう。ただし、法人向けの製品や販売チャネルへの預託品、要求に応じて仕様が変わるような産業用製品などは、営業が情報を握っていることがほとんどです。こうした製品に関しては、Baseline Forecastを使わない、または参考にはするが営業担当による数字調整が必要になります。こういった需要に対する調整を「意思入れ」と言います。

 

需要を計画するにあたって

一般的には事業部や製品カテゴリー別、法人向け製品であれば顧客別で年度の売上目標(金額)があり、それに対して商品/サービスごとの数量が決まります。よって、長期的な計画は事業別・商品群ごとに金額で、短期的にはSKUごとに数量で計画の値を作ります。その際に、前述の売上目標や需要予測、前月までの実績が目安になるわけです。ただ、ここで前回お話した Bullwhip Effect が問題となります。意思入れで強気の計画をたてる営業担当者がいるとします。多数の営業が、実績が上がっていないのに自分の担当する顧客向けの在庫を確保しておきたいために意図的に多く設定した場合、そういった営業が多くいればいるほど、集計した需要計画は現実とかけ離れた大きい数字になってしまいます。

 

そこで、T3では、需要計画の意思入れ画面では、過去の実績と計画を直感的に比較できるグラフを提供しています。自分自身の計画だけでなくマネージャーは部下の計画のチェックもできます。また、画面のPivot機能を使えば、製品カテゴリ別、顧客×製品別、地域別など切り口(Dimension)を変えて集計されます。金額情報しかない年初の予算であれば、金額の情報種(Measure)に加えて、グラフも金額表示に切り替えて比較可能です。金額は為替マスタを使って指定する通貨で表示できます。原価の登録がされていれば、利益率の評価もできます。

 

 

このように、様々な観点(Dimension)から、必要な情報種(Measure)をユーザが自分で選んで集計しながら、売上(金額)を達成するにはいくつ(数量)の計画にするのがよいのか、前年同月の実績と比べると今回の計画は多すぎないかなど、評価しながら数字を作っていくことで、より精度の高い計画値が作られます。

需要計画は会社の活動のトリガーですから、こうした人の意思入れで戦略的に計画を作っていくことが販売側としては重要な業務の一つであるべきと、弊社では考えています。