導入背景及び目標
本社および欧米拠点販社ではERPを活用して業務を行っていますが、アジア販社では主にExcelで販売計画立案/発注計画を行っていました。本社の課題はグローバルベースの販売計画/将来在庫金額のタイムリーな把握が困難な事。一方、アジア販社の課題は、事業拠点拡大/品目増大に伴い計画策定の負荷が大きくなっていく中での、PSIの精度の向上でした。二つの課題を解決する為にグローバルベースで金額情報の見える化と、アジア販社の計画担当者の力量に依存しない標準的な方法で、変化に即座に対応できるような需要計画のシステムが必要とされていました。
導入アプローチ
Step1ではグローバルのPSIの見える化/金額ベースの評価を行う基盤を整備、Step2でアジアの主要販社を中心にした販売計画立案/発注計画の仕組みづくりに取り組みました。
Step1として、ERPで管理されている販売/在庫及び従来の販売計画を日次連携し、販売状況やPSIなどを数量及び金額で、多角的かつタイムリーに分析できる仕組みを提供しました。
Step2としては、アジア主要販社の販売計画立案と発注計画機能を構築しました。主要顧客⇔販社、詳細品目⇔大分類、数量⇔金額を簡単に切り替えて表示する事で過去分析と将来需要検討を可能にし、また、グラフ表示により視覚的に判断しやすいシステムを準備しました。
構築の効果
Step1のグローバルのPSIの見える化によって、全体の販売状況や在庫推移を数量/金額共に様々な分析軸でタイムリーに分析を行い、対策立案に繋げています。
Step2のアジア主要販社の販売計画立案と発注計画機能では、多様な切り替えを行う事で詳細から全体の分析及びシミュレーションが可能となり、PSIの精度向上に寄与すると考えています。さらに、これらを同じプラットフォーム上で行うことで、関係者との情報共有ができるようになり、従来個人の技量に依存していた計画業務がより高い精度で短期間に実施できるようになりました。今後他のアジア販社、および欧米販社に展開していく事で、All ブラザーで需要計画策定のノウハウを共有し、計画の高度化が図られることが期待されます。