
株式会社スノーピーク
限界だったExcel管理からの脱却。
SCMシステム「PlanNEL」導入で工数半減を実現。

株式会社スノーピーク販売計画部の川上 剛志様に、SaaS型SCMシステム「PlanNEL」の導入背景や目的、導入後の変化についてお伺いしました。
まずは貴社の事業内容を教えていただけますか。
当社は、1958年、“ものづくりのまち”として知られる新潟県三条市にて創業したアウトドアメーカーです。「人生に、野遊びを。」をコーポレートメッセージに掲げ、「自然と人、人と人をつなぎ、人間性を回復する」ことを社会的使命としています。キャンプギア、アパレルの製品開発のほか、飲食、地方創生、ビジネスソリューション等、キャンプの力を使いながら世界各国で事業を展開しています。
SCMを実現するための各部門の役割と体制を教えていただけますか。
SCMの運用体制については、本社の計画部門が在庫・売上データをもとに全体方針を立て、その情報を関連部門へ展開しながらアロケーションを決める体制となっています。グローバルを含む各拠点に担当者はいますが、発注や配分の意思決定は基本的に本社が主導して行う仕組みで運用しています。

PlanNELを導入する前に感じていた課題を教えていただけますか。
PlanNEL導入前は、コロナ禍でキャンプ需要が高まり、供給が追いつかない状況が続いていたため、当時は需要に応えることを最優先に発注を進めていました。精緻な計画よりも、サプライチェーン上の生産余地をいかに確保するかに注力していました。
しかし今後の展開を考えた際、社内で「今のままの発注体制で良いのか」という問題提起が起こり、現在の販売計画部が設立されました。
それまでは、生産余地があれば発注をかけており、その内容が適切かどうかを判断する仕組みが十分ではありませんでした。そのため、将来の需要を踏まえたうえで、より適切な意思決定ができる体制にしたいと考えていました。
最初はExcelで簡易的なPSI(生販在計画)を作成していたのですが、少人数体制の中でグローバル全体のデータを扱うには作業負荷が大きく、運用面で限界がありました。また、Excelではマスターデータを上書き保存できないため、月ごとにファイルを分けて作成せざるを得ず、前回と今回で何が違うのか、連続性を持った比較検証が非常に困難になってしまいました。
そこで、外部のSCMコンサルタントも交えて議論を行い、この課題を解決するには需給管理システムを入れた方が良いという結論に至り、システムの検討を始めました。
PlanNELを知ったきっかけと、選定の理由をお聞かせいただけますか。
きっかけは、金沢工業大学虎ノ門大学院の上野善信教授にご相談したことです。
もちろん他社サービスとも比較検討を行いましたが、当社の課題解決とコストのバランスを考えた際、条件に合うのはPlanNELしかありませんでした。「PlanNELを導入するか、今のままの運用で頑張るか」の二択だったというのが正直なところです。
また、当社は取り扱うSKUや管理粒度が比較的シンプルであるため、高度なカスタマイズは不要でした。そのため、SaaSの標準機能として提供されるPlanNELで、必要十分だと判断しました。
検討当初は「AI需要予測による精度向上」を主目的としていましたが、ザイオネックスさんからご提案いただく中で、AI需要予測から販売計画、補充計画までをワンストップで実現できると聞き、非常に利便性が高いと感じました。
それぞれを別システムで運用すると、データをシステム間で載せ替える手間が発生しますが、PlanNELなら一つのプラットフォームで完結します。その点も大きな魅力でした。
また、これまでは各拠点のフォーキャスト(人的予測)とExcelでの予測で計画を立てていましたが、PlanNELを導入することにより、フォーキャストとAI需要予測の2軸で比較検討できるようになります。
これにより、精度の向上はもちろんのこと、「なぜこの数字なのか」と関係部門からの問いに対しても、理論的かつ客観的な根拠を持って説明ができるようになる点も高く評価しました。

PlanNEL導入後の変化や効果について教えていただけますか。
導入による効果は、大きく分けて2つあります。
1つ目は、安全在庫の設定や、在庫の持ち方に対する考え方が変わったことです。 導入当初は「いかに欠品をなくすか」にフォーカスしていましたが、運用が本格化するにつれて、「いかに在庫高を適正に抑えていくか」へと意識が変化していきました。
以前はどの商品も一律で安全在庫を決めていましたが、PlanNEL導入後は「ABC-XYZ分析」を行い、商品ごとの売上貢献率と需要変動率を9象限のマトリクスに分類することで、象限ごとに在庫の持ち方のポリシーを策定できるようになりました。
さまざまな施策を並行しているため、すべてがPlanNELだけの成果ではありませんが、在庫高は順調に減少しています。同時に欠品率も以前より低下しており、精度の高い在庫計画運用が実現できています。
2つ目は、業務工数の大幅な削減です。 需要変動が少ない商品はPlanNELの予測に任せ、季節性があるなど需要の変動が大きい商品は人の目で判断(意思入れ)を加える運用に切り替えたことで、作業の効率化につながりました。
現在、販売計画部の体制も整ってきていますが、業務効率が大きく改善され、以前と比べて運用負荷が大幅に軽減された効果は非常に大きいです。
また、需要計画を策定する際にメモを残せる機能も重宝しています。計画のバージョンを更新してもメモが引き継がれるため、過去を遡る際に「どのような出来事があったか」「どのような意図でこの数値にしたか」を時系列で確認できます。メンバーが増えていく中で、こうした経緯やノウハウを共有できる点は非常に助かっています。
PlanNELを利用して、今後はどのようなことをしていきたいですか。
現在は、全社の倉庫全体で需要予測を回し、算出された数値を各拠点に振り分ける運用を行っています。しかし今後は、各拠点からの積み上げで計画を策定する体制へ移行していきたいと考えています。
そのために、まずは各拠点に需給予測ができる担当者を配置した上で、各拠点の担当者がPlanNELの予測値とフォーキャストを組み合わせて計画を立案し、それらを統合することで全社の計画を決定するフローを目指していきたいです。
また、スノーピーク全体としての在庫管理は適正化できてきましたが、各拠点間での詳細な在庫管理まではまだ手が届いていないのが現状です。今後はPlanNELを活用し、拠点間の在庫移動や調整も含めた、より効率的な管理を推進していきます。
最後に、この導入事例インタビューをご覧になられている方に一言いただけますか。
PlanNELは、「全社で共有の数字を持ってコミュニケーションをしていきたい」と考えている企業に向いていると思います。
どの会社もそうだと思うのですが、需要予測や過去の実績をもとに積み上げた数字と、会社が求める予算に乖離があった際に、「予算ベースで発注をするのか、実績値ベースで発注をするのか」という判断を迫られる時があると思います。 そこで予算ベースで発注をしてしまい、結果として在庫が大量に余ってしまった……という経験をしたことがある人も、少なくないと思います。
そうした中で、実績値ベースで発注を通そうとする際、PlanNELがあることは大きな説得力になります。
「こういうロジックで、これだけアルゴリズムがあって、現状はこれが最適値です」という地点から議論をスタートできるため、予算と実績に乖離があった際にも、その差を埋めるために「MDをどうするか」「販促をどうするか」といった施策を、根拠を持って議論できるようになります。戦略を立てるにあたり、PlanNELが強力にサポートしてくれるのです。
特にSKUが多い企業であれば、間違いなく効率が上がると思いますので、このような課題をお持ちでしたら、ぜひ一度お話を聞いてみてはいかがでしょうか。